立ち去り行動
おかしいなと感じたら、まず最寄りの医療機関へいってみましょう。
今しなければならないことがあるのに、関心が他に向いたりするとふらっとその場を離れてしまうような行動をいいます。
わざとしているわけではなく、何かに集中したり注意を向け続けるのが難しくなったり、その場を離れることで周囲からどう思われるか、といったことに関心がなくなってしまったり(脱抑制)、今していることが苦痛でとりあえずその場から離れたいと感じていることなどが関係しているのではないかと考えられています。
例えば、
- 診察や検査の途中に、突然ふいと部屋から出て行ってしまう
- 編み物を熱心にしているように見えたのに、ささいな物音に意識が向いてしまいどこかへ行ってしまう
などということがあります。
何かの作業に集中していたり、白衣の先生を前に診察を受けて緊張してる時などは、ドアの外で誰かの話し声がしても耳に入らなかったり、少しくらいお腹がすいても気づかなかったり、窓の外を木の葉がヒラヒラ飛んでいても目に入っていなかったりします。そして緊張(集中)が途切れると、ふぅっと急に周りがざわざわとしてくるような気がします。集中している間は、無意識に不要だと思われることをカットしているような状態なのかもしれません。
さて、外の話し声やお腹の減り具合、木の葉などあらゆる物音、物事が目や耳に入ってきて気になってしまったら、一番気になることを何とかしようと思い、行動に移すことでしょう。立ち去り行動は、そんな「自分が感じて、求めていることをただ率直に行動している」ことのように思えます。
そして、気になったら行動せずにはいられない、なのに行く手を阻まれたら、とても困ってしまうし「どうしても行くんだ!」と強行突破したくなると思います。
周囲の人から見れば「その場から立ち去ってしまう」行動ですが、実は「あれこれ気になって、とてもじゃないけど続けていられない」「どうしても行かなければならない」という苦しい状態なのではないでしょうか。(介護士H)