認知症の症状

情動失禁(感情失禁)
おかしいなと感じたら、まず最寄りの医療機関へいってみましょう。

情動と感情とは、厳密にいうと定義は異なるものですが、ここでは「刺激に対しておこる気持ちのことで、快・不快、恐怖、怒り、悲しみ、おかしみなど」を指して説明します。

普段、情動が表に出る時には、ある程度コントロールされています。そして、例えば意識して「泣くまい」とする場合もあれば、無意識に泣かないようにしていることもあります。

情動失禁は、このコントロールが効かなくなってしまったために起こるもので、情動が抑えられずに、感じた気持ちがそのまま表に出てくる状態をいいます。また、ささいな刺激で怒る易怒性(いどせい)は、刺激の「感じやすさ」に関係していますが、情動失禁は刺激からおこる情動を「抑えられない」ことが関係しています。

ここでは、認知症に関わりの大きなものを挙げます。

例えば

  • 周囲の状況(道路を歩いているとか、親しい人以外にも人が周囲にいるなど)に関係なく、泣いたり笑ったり怒ったりする
  • 一般的にみると悲しい状況なのに、(何か些細なおかしいことに対して)笑ったりする
  • 普段気付かないような、道端に咲いている花を見て、涙を流しながら「きれいね」と言う

などということがあります。

感情のコントロールは、社会生活を円滑にすると同時に、その人の個性の一部(感じやすさ)を隠してしまうように思います。ストレートに感情をぶつけられると戸惑ってしまいますが、それはネガティブなことばかりでなく、楽しいことや嬉しいこともより多く一緒に感じられることなのかな、と思います。(HR)