認知症の症状

抑うつ
おかしいなと感じたら、まず最寄りの医療機関へいってみましょう。

抑うつ、抑うつ状態、抑うつ気分、うつ状態など、似たような言葉がたくさんありますが、ここでは「抑うつ」という表現を使って説明します。

抑うつは、落ち込んだ気分や悲しい気分、うつろでむなしい気分、何かを見たり経験しても心を動かされるような感じがしない、何かをしても気分が晴れない、といった気分の状態をいいます。また、抑うつがあると、自信がなくなったり、自分には何の取り柄も価値もないと感じたり、死んでしまいたいなどと感じることもあります。 例えば

  • 「悲しい」などと口にはしなくても、元気がなく沈んでいるように見える
  • 涙ぐんだり、ため息をついたりする
  • 「私なんかいても役に立たない」「どうせ何してもダメだから」

など自分を卑下するようなことを言う

  • 「もう死んでしまいたい」「消えてしまいたい」など、死を意識したようなことを言う
  • (価値のない自分のことが腹立たしくて)イライラしているように見える
  • (抑うつの気分や状態に対して)不安になったり怖くなったりする

などということがあります。

言葉がまぎらわしいのですが、病気の名前である「うつ病」とは異なり、病気ではなくてもこのような気分になれば「抑うつ」といいます。

もの寂しいような静かに悲しい気分、胸騒ぎがするようなざわざわして落ち着かない不安な感じ、なんだかこの先のことが漠然と心配になって眠れない…私はたまにこんな気分に襲われることがあります。

そんな時、自分ならどうしているかなと考えてみたのですが、まずは今頑張ってやっていることを一時休みます。それでも駄目なら、もっと長い時間休んで、最終的には止めてしまいます。抑うつ気分の時には、出口のない迷宮の中をあえぎながら考え続けているように感じます。それが、どうにかすれば考えずに済むことなら…例えば仕事のことなら、思い切って長期休暇を取ることもできます。でも、例えば大切な人を失ってしまったとしたら、仕事を休むのと違って、事実を忘れたり変えたりするのは無理な話です。それでも、もし心に体力があれば(心の体力という言葉は変ですが)、迷宮からある日ぽこっと出てくることができるものです。でも、それも出来ないほどのダメージを受けた時、私はまず誰かに傍にいて欲しいと思いました。

別に世話を焼かれたり声をかけてもらわなくても、人がいる安心感の中で心は迷宮の出口を探している、といった状態が落ち着きました。あとは、ずっと考え続けている頭を休ませるためにとにかく寝られそうならいつでも寝ること、体を動かすことが苦痛でなければ少しでも自然を感じられる場所で過ごす、人間以外の動物と触れ合って一緒に過ごす、そして病院に行って医師やカウンセラー、薬など医学の力も借りました。

抑うつの時は、本人が辛いのはもちろんですが、周りの人も辛そうな様子が分かるだけに居たたまれない気持ちになると思います。かといって、「何かしてあげよう」と思うとそれを本人が受け入れない時に「何故分かってくれないの」とイライラしたり、かえってお互いにマイナスになることもあります。長い目で見ながら、いつでも近くから、ただ見守っていてくれる人がいるだけでも、大きな救いになっているのではないかと思います。(HR)